私はもう25年にわたって、ブラガローネの物語を書き続けています。 物語の時代は13世紀から現代までに及びます。 今のところ、これはその時間軸のいちばん最後に位置する話です。 実を言えば、トニー・トロメイは〈会社〉以外で一日たりとも働いたことがなかった。 もちろん、最初は一族の会社で働き始めた。だが合併によって、彼は〈会社〉の株主となり、取締役会の一員となった。 トニーとマイク 彼は「忠実なるトニー」と呼ばれていた。 何十年ものあいだ、彼はただの一度も少数派に票を投じず、株主総会でも取締役会の提案に反対したことがなかった。 今日は彼の最後の出勤日だった。 そして彼は、〈会社〉の取締役として最後にもう一度、ガラスと鋼鉄でできたその本社ビルへやって来た。北側の角にある彼の執務室は、十九年間そこにあった。
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