クラウンズ・ド・ラ・シャットのサーカス兼劇場は、奇妙な一座だった。 観客の中にはショックを受けて途中で席を立つ者もいたし、毎回必ず誰かが金を返せと要求した。 同じ夜は二度となかった。
取締役たちが散り始めると、トニー・トロメイはヘンリー・ルンドに目配せした。 「私はもう少しここに残って、昔のことでも思い出していようと思うんだが、一つ思いついたことがある。マリア・ダ・シルヴァは来週、休暇を取る。彼女が戻ってきたら、君の秘書にならないかと声をかけてみたらどうだね?」
トニー・トロメイは、テーブルの向こうの壁に掛けられた絵を眺めていた。 父がこの部屋のために選んだ絵だった。もっとも父自身は、それが実際にここへ掛けられたところを見ることはなかった。 北欧の画家、クロード・ハルヴァティによる大作、《Kai sy, teknon》。
取締役専用の食堂は同じ階にあり、そこへ行くにはアルマのデスクの前を通らなければならなかった。 アルマはトニー・トロメイに満面の笑みを向けた。 「さっきはありがとう、トニー!」 「どういたしまして、アルマ。またいつか、同じことをするかもしれないね?」
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