取締役専用の食堂は同じ階にあり、そこへ行くにはアルマのデスクの前を通らなければならなかった。
アルマはトニー・トロメイに満面の笑みを向けた。
「さっきはありがとう、トニー!」
「どういたしまして、アルマ。またいつか、同じことをするかもしれないね?」
するとアルマは、めったに聞かせない特別なものを彼に返した。
喉の奥で低く鳴るような笑い声だった。
トニーは鞄と携帯電話をアルマに預け、濃い色の木製の扉をくぐった。
ほかの取締役が二、三人、控えの間にいた。
トニー・トロメイが入ってくると、彼らの会話は途切れた。
「これが君にとって、最後の『月末の金曜日の昼食会』というわけだな」
人事担当取締役のサヴェージが声をかけた。
トニー・トロメイは人が好きだった。
たいていの人間を、会った瞬間からためらいなく好きになった。
だが、この数か月、彼は周囲の人々を新しい目で見るようになっていた。
そしてジョン・ユージーン・サヴェージという男が、尊大なクソ野郎だということに気づいた。
「そうだね。次からは皿が一枚少なくて済む」
「財務担当取締役が喜ぶだろうな!」
トニー・トロメイは計算した。
来年、このクソ野郎のボーナスは今年より三百万から五百万ほど増えるはずだった。
「トニー、いよいよ引退生活だな!」
不動産担当取締役のベネットが背後から声をかけ、トニー・トロメイを驚かせた。
「AIITロイヤルに入ったのは、何歳のときだったっけ?」
「十九歳だ。あと一か月と一週間で、勤続五十七年になる」
ベネットの額に皺が寄った。
「それなら、さぞ引退が楽しみだろう。街に残るのか、それとも田舎へ移るのか?」
「ひょっとしたら、サーカスと一緒に逃げるかもしれないよ!」
マルコム・アール・ベネットは、ベルトの上で腹を揺らしながら大笑いした。
そして、その言葉を生涯忘れなかった。
部屋には六十人でも入れそうだったが、今そこに用意されているのは、十二人の取締役のための立食形式の食卓だけだった。
トニー・トロメイには、親しげな仕草や微笑み、肩を叩く手が次々と向けられた。
彼は三月十五日――カエサルの「三月のイドゥス」を思った。
技術担当取締役のプレヴォンは、酔っぱらった修道士のように笑っていた。
赤ら顔で、得意満面だった。
トニー・トロメイは計算した。
自分がいなくなって再配分されるボーナスから、プレヴォンが得る額は一千万を少し超える。
プレヴォンはトニーの手を力いっぱい振り回した。
まるでナマズを叩き殺そうとしているようだった。
国内営業担当取締役のルイス。
おそらくルイスは、この会社で最も頭の切れる男だった。
だがトニー・トロメイは知っていた。
売上の減少に本当に責任があるのは自分ではなく、この男だった。
ルイスは頭がよかった。
しかし疲れ切っていて、考え方も古かった。
トニーより十五歳も若いというのに。
トニー・トロメイは計算した。
自分が追い出されることで、ルイスが得る利益は九百万近くになる。
最高経営責任者のニック・キーは、実際の年齢より老けて見えた。
威厳があり、慎重で思慮深そうだった。
この九年間、彼は奇跡のような成果を上げてきた。
直近の二年間こそうまくはいかなかったが、それでも会社の収益は驚異的に伸びていた。
トニー・トロメイは、この男を嫌いになることができなかった。
たとえ冷静に分析すれば、ニック・キーが自分の目的のためなら誰であろうと裏切る覚悟のできた男だと分かっていても。
トニー・トロメイは、壁の磨き上げられた大理石に映る自分の姿を見た。
自分も、この一部だった。
彼は一度たりとも、最高経営責任者の提案に反対票を投じたことがなかった。
ニック・キーが提案したあらゆる卑劣な企みも、あらゆる背後からの一刺しも、あらゆる裏切りも。
そのすべてに、トニー自身が祝福を与えてきたのだ。
若い取締役たちは、まるで奇妙な司祭の一団のようだった。
神殿の最長老の肩を叩くことを必要とする、何かの儀式を執り行っているかのように。
Vastaa