十五分が過ぎたころ、ドアがノックされた。
アルマは堂々とした女性だった。
「堂々とした」という言葉が、まさにぴったりだった。
もしトニー・トロメイが自分自身に正直になるなら――そして今日の彼は正直だった――かつて自分がアルマに、ある程度恋をしていたことを認めなければならなかった。
アルマは、彼とは何もかもが違っていた。黒人で、プロテスタントで、完全に自分自身の力で今の地位まで上りつめた。勇敢で、率直で、樫の木のように強靱な女性だった。
そして、ジョンソン=リトル。
トニー・トロメイがジョンソン=リトルを雇ったのは二年前だった。肩書きは輸入部門の管理担当次席秘書。
実際のところ、それはアルマかトニー・トロメイに言われたことを何でもする、という意味だった。
ほんの数か月前、自分が去らなければならないと悟ったころになって初めて、トニー・トロメイは気づいた。
この大学を出てまだ一年あまりの若者は、赤毛になったフランコ叔父なのだ。
そっくりというわけではない。
けれど、ジョンソン=リトルが部屋を出ていく後ろ姿を見送ると、ときおり天使の翼がトニー・トロメイに触れることがあった。
最後に部屋へ入ってきたのはマリアだった。
マリアはラテン系の女性としては背が高く、名前だけ聞けば脅し文句のように響くノルウェー人女性と暮らしていた。そして彼女の息子は、ちょうど大学に入ったばかりだった。
トニー・トロメイは、まずジョンソン=リトルに向かって言った。
「この書類を、午後二時十五分を過ぎてからハーモン・ライオナード&ロスコウへ持っていってくれ。ただし、二時四十五分より遅くなってはいけない」
トニー・トロメイは書類入れを一つ、ジョンソン=リトルに渡した。
「それから、これをそのあとでパウエル・ディーツ&マーカスへ。午後三時までに必ず届けること。ディーツかマーカス本人に手渡してくれ。向こうもこれが届くことは承知している」
トニーは封筒を男に渡した。
二人の女性もジョンソン=リトルも眉を上げたが、何も言わなかった。
指示そのものは珍しくなかった。
珍しかったのは、届け先だった。
ジョンソン=リトルがうなずくと、トニー・トロメイは退出してよいと告げた。
ジョンソン=リトルが出ていくと、トニー・トロメイは二人の女性を見た。
親しみを込めて。
ほとんど優しいと言っていいほどの眼差しで。
そして言った。
「ワイス夫人、ダ・シルヴァ夫人。どうぞ、お掛けください」
彼は窓際にある小さな打ち合わせ用のテーブルを示した。
アルマ・ワイスは思わず眉を上げた。
しかしマリア・ダ・シルヴァは微笑み、意味ありげにトニー・トロメイを見て、それからワイス夫人を見た。
会社の事務部門で女性が働くようになって以来、秘書の女性たちはずっとファーストネームで呼ばれてきた。
今では秘書という肩書きで働く男性もいたが、その慣習は、何の正式な決定もなされないまま、女性にだけ適用され続けていた。
「そう、ダ・シルヴァ夫人はもうご存じだがね。私が最後に片づけることのできた仕事の一つが、社内での呼び方を改めることだった。月曜日からは、全員を姓で呼ぶことになる」
トニー・トロメイは二人の女性の目を順に見た。
「分かっている。小さな一歩だ。あまりにも小さな一歩で、あまりにも遅すぎた。それでも、一歩には違いない。それに、来年の暮れまでに取締役会に女性が一人加わっていたとしても、私は少しも驚かないだろう。私が取締役会を去ることで、役員の紳士諸君には想像もつかないようなパンドラの箱が開くことになるからね」
マリア・ダ・シルヴァは、上司の声に、普段はほとんど聞くことのない感情が混じっているのを感じ取った。
高揚だった。
「ええ、トロメイ様……みんな――つまり、この会社のかなり多くの者が、少なくとも私たちの部署と秘書たちはみんな――あなたは不当に扱われたと思っています」
「さて、どうだろうね。私は恐竜だよ。地位を相続した恐竜だ。自分の能力だけでは、決してここまで来られなかっただろう。
それに、少しばかり詩的じゃないか。
父がかつて、自分の時代の恐竜たちを追い出すために合併契約へ巧みに忍び込ませた、まさにその条項によって、今度は私が追い出されるんだから」
Vastaa